2017年6月2日 (仮訳)狭義Xerula属の概要および系統学的再検討 Wang, L. et al., 2008. Synopsis and systematic reconsideration of Xerula s. str. (Agaricales). Acta Botanica Yunnanica. Available at: http://journal.kib.ac.cn/EN/abstract/abstract57.shtml [Accessed June 2, 2017]. 【R3-04079】2017/06/02投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ 狭義のXerula属を再検討し、検索表、記載文、スケッチなどを掲載した。 中国から楕円形~広楕円形の担子胞子、紡錘形厚壁の側シスチジア、クランプが稀であることなどで特徴づけられるX. strigosaを新種記載した。 また、中国新産種としてX. sinopudens、コスタリカ新産種としてX. setulosaをそれぞれ報告した。 中国雲南省麗江市玉竜ナシ族自治県老君山 (新種) Xerula strigosa Zhu L. Yang, L. Wang & G.M. Muell. 語源…剛毛状の(傘および柄表面の性状から) 【よく似た種との区別】 Xerula pudens(ビロードツエタケ) 形態的に類似している(誤同定されてきた) 本種と異なり中国ではなくヨーロッパなどに分布する 本種より担子胞子が短い 本種と異なり側シスチジア頂部が薄壁でなく厚壁 本種と異なりクランプが稀なのではなく普通に、またはごく普通に見られる Xerula sinopudens(コブリビロードツエタケ) アジアに分布する(地理的分布が重なる) 形態的に類似している(誤同定のおそれがある) 傘が帯黄褐色~暗褐色 傘剛毛が帯黄褐色 担子器が4胞子性 側シスチジアが紡錘形 菌糸にクランプが稀 本種と異なりほとんどの場合温帯~亜熱帯に分布するのではなくほとんどの場合亜熱帯~熱帯に分布する 本種と異なり日本、インドネシア、パプアニューギニアなどにおける分布が知られている 本種より担子胞子のQ値が大きい 本種と異なり担子胞子が楕円形~広楕円形ではなく類球形~広楕円形 本種と異なり側シスチジア頂部が頭状でないのではなく頭状~偽頭状 本種と異なり側シスチジア頂部が結晶に覆われないのではなく覆われる 本種と異なり側シスチジアが薄壁ではなく厚壁 分子系統解析で明瞭に区別される(未発表) Xerula hispida 形態的に類似している(混同のおそれがある) 本種と異なり中国ではなく中米などに分布する 本種と異なり担子器が4(2)胞子性ではなく2(4)胞子性 本種と異なり側シスチジアが細長い紡錘形で頂部が頭状でない (その他掲載種) Xerula pudens (Pers.) Singer ビロードツエタケ 【よく似た種との区別】 Xerula melanotricha ヨーロッパに分布する 形態的に類似している(混同のおそれがある) クランプが普通に、またはごく普通に見られる 本種と異なり側シスチジアがしばしば頭状~偽頭状ではなく時に偽頭状 本種と異なり側シスチジアの頂部に帯黄色の結晶を伴うのではなく結晶を伴うことは稀 本種と異なり側シスチジアが厚壁ではなく薄壁 本種より傘剛毛が長い Xerula strigosa 形態的に類似している(誤同定されてきた) 本種と異なりヨーロッパなどではなく中国に分布する 本種より担子胞子が長い 本種と異なり側シスチジア頂部が厚壁でなく薄壁 本種と異なりクランプが普通に、またはごく普通に見られるのではなく稀 Xerula sinopudens(コブリビロードツエタケ) 形態的に類似している(同種とされてきた) 本種と異なりヨーロッパではなく東アジアなどに分布する 本種より担子胞子のサイズが大きい 本種と異なり側シスチジア頂部がしばしば頭状~偽頭状ではなく通常頭状でない 本種と異なり側シスチジア頂部に結晶を伴うのではなく伴わない 本種より側シスチジアが薄壁 本種と異なりクランプが普通に、またはごく普通に見られるのではなく稀 (その他掲載種) Xerula melanotricha Dörfelt 【よく似た種との区別】 Xerula pudens(ビロードツエタケ) ヨーロッパに分布する 形態的に類似している(混同のおそれがある) クランプが普通に、またはごく普通に見られる 本種と異なり側シスチジアが時に偽頭状ではなくしばしば頭状~偽頭状 本種と異なり側シスチジアの頂部に結晶を伴うことは稀なのではなく帯黄色の結晶を伴う 本種と異なり側シスチジアが薄壁ではなく厚壁 本種より傘剛毛が短い (中国新産種) Xerula sinopudens R.H. Petersen & Nagas. コブリビロードツエタケ 【よく似た種との区別】 Xerula pudens(ビロードツエタケ) 形態的に類似している(同種とされてきた) 本種と異なり東アジアなどではなくヨーロッパに分布する 本種より担子胞子のサイズが小さい 本種と異なり側シスチジア頂部が通常頭状でないのではなくしばしば頭状~偽頭状 本種と異なり側シスチジア頂部に結晶を伴わないのではなく伴う 本種より側シスチジアが厚壁 本種と異なりクランプが稀なのではなく普通に、またはごく普通に見られる Xerula strigosa アジアに分布する(地理的分布が重なる) 形態的に類似している(誤同定のおそれがある) 傘が帯黄褐色~暗褐色 傘剛毛が帯黄褐色 担子器が4胞子性 側シスチジアが紡錘形 菌糸にクランプが稀 本種と異なりほとんどの場合亜熱帯~熱帯に分布するのではなくほとんどの場合温帯~亜熱帯に分布する 本種と異なり日本、インドネシア、パプアニューギニアなどにおける分布が知られていない 本種より担子胞子のQ値が小さい 本種と異なり担子胞子が類球形~広楕円形ではなく楕円形~広楕円形 本種と異なり側シスチジア頂部が頭状~偽頭状ではなく頭状でない 本種と異なり側シスチジア頂部が結晶に覆われるのではなく覆われない 本種と異なり側シスチジアが厚壁ではなく薄壁 分子系統解析で明瞭に区別される(未発表) (コスタリカ新産種) Xerula setulosa (Murrill) R.H. Petersen & T.J. Baroni 【よく似た種との区別】 Xerula hispida 中米および南米に分布する 側シスチジアが細長い紡錘形 側シスチジア頂部が通常頭状でない 本種と異なり担子器が4胞子性または2胞子性と4胞子性が混じるのではなく2胞子性 本種と異なり担子胞子が類球形または楕円形~広楕円形ではなく類球形~類卵形